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「神林に似合うと思うんだけどな」
日比谷さんは部屋の隅に置いてある姿見の前に僕を連れて行くと、そのドレスを僕にあててそう囁いた。僕の後ろに立っているので、背中に日比谷さんの一部が当たっている。それが何か考えないようにしていたが、日比谷さんの唇が耳元から首筋に降りていくと、何も考えられなくなっていった。
日比谷さんは空いてる手で、僕のシャツのボタンを器用に外していく。いつの間にかズボンのベルトも外されていて、足首のところで黒い塊となっていた。
日比谷さんの細い指が、僕の肌を撫でてくる。その感覚を楽しんでいると、柔らかな、少し冷たい感触に僕は我に返った。
姿見には、青いドレスを来た自分が映っていた。
「ほら、似合う」
鏡の中の日比谷さんの瞳と視線が絡む。そこには微かに欲望の色が見え隠れしている。
僕の口の中は、カラカラに渇いていた。
「神林って可愛いよね」
日比谷さんが僕の前に移動してきた。薄く開いた唇から、赤い舌が覗く。そのまま、日比谷さんは僕に唇を重ねてきた。
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