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「大丈夫よ、よくホグすの。それから……」
日比谷さんが何を言ってるのか分からない。とにかく逃げたかった。それなのに、
「ね、神林。私の事気好きでしょ? 私もずっと気になってたんだ。でも私には彼女がいたし──私がそうなの知ってるよね? でも別れてさ、今日は神林に会いたくて来たんだ」
そんな告白、ここでするなんて反則だ。しかも、
「おねがい、ね?」
熱を持ったトロンとした目で、僕の脚の間から見上げてくる。頭の中では、「今すぐ逃げろ」という声と、「彼女に身を任せろ」という声が鬩ぎ合い、僕の身体の自由を奪っていた。
「っっ…………!!!」
蠢くものの感覚が、漸く体内からなくなり、身体の力が抜ける。しかしすぐに、今度はそれまでとは比較にならないほど、太く硬いものが侵入してきて、僕は声にならない悲鳴を上げた。
涙が滲む。
「やめ、て、…………ん、ぅうっ」
日比谷さんに懇願しようとするが、ゆっくりと、しかし確実に僕に割り入ってくるそれと、恍惚とした表情の日比谷さんに言葉を奪われる。痛みは次第に熱を持ち、別の感覚を齎し始めていた。
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