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「妹がいたら、ニーナみたいな感じなのかな」
「え?」
そっとこぼしたソラの声に、ニーナは思わず聞き返す。きょとんとした青い瞳に、ソラは「なんてね」とお茶目に笑った。
「妹なんだ。今のお母さんのおなかにいるの」
「ソラの妹?」
「そう。名前はまだ決めていないけれど、楽しみだよね。お母さん、女の子がいいなって言ってたし。
でもね、なんだか最近ずっと体調がよくないみたいで、っていうのも、赤ちゃんが生まれる前に調子が悪くなったりおなかがひどく痛んだりする人もいるみたいでおかあさんはそれみたいなんだけど、ボクのときはそんなのなかったみたいだから、なんだか心配だなあ」
フードを必死に食べるポンに目をやって、ソラはそっと息を吐いた。一人なら、また泣いてしまうところだった。
ニーナは「きっと大丈夫だよ」と静かに返してその場にかがんでポンを見る。食べ終えたポンが、水を飲みながら横目でちらちらとニーナを見る。給水器がからんからんと楽しそうに笑う。それを見てニーナは勢いよく立ちあがり、「よし」とガッツポーズをした。ソラは驚いてニーナに目をやる。ライトブルーは曇っていなかった。
「ソラもおなかすくでしょ! お父さんに言われてたお買い物の片づけ、早く済ませてごはんにしよう! ニーナも手伝うよ!!」
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