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「千本鳥居ってあるだろ? あの鳥居が何本もある道。そこ行こうぜ。」
駅から歩くこと数分、ワクワクしながら隣を歩く夜神に言った。
夜神はそんなオレを見て優しく笑っている。
「アンタが行きたいトコならついてくよ。」
「…それ、なんかどうでもよさげな言い方だな。」
夜神の返答に若干ムッとしたオレ。
まるでオレの我が儘で振り回してるみたいじゃん…
そんなオレの不満を察したのか、夜神はポンポンとオレの頭を撫でた。
「そういうんじゃねぇって。京都来んの初めてだから、俺自身どこが有名とかあんま知らねぇんだよ。だからアンタが行きてぇトコに行ってアンタが楽しんでれば俺も楽しいよ。」
「え、京都来たことないの?」
「ああ。」
「中学の修学旅行とかは?」
「あー……そもそも行ってねぇから。」
気まずそうに言葉を濁す夜神に、オレはしまったと気づく。
コイツ中学の時はもう荒れてたんだっけ。
そんな奴が、修学旅行なんか行って楽しめるワケないよな。
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