おとなしくしてろよ

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耳を疑った。 まさかアキの口から、そんな言葉が聞けるなんて、思っていなかったから。 大切だから。だから危険なことに巻き込まないように、俺から身を引くのが本当はよかったんだろうけど。 アキのあの言葉を聞いて、やっぱり離れるのは無理だと痛感した。 ずっと前から、欲しくて、欲しくて。 アキが俺のことをどう思っているのか、本当は気になって仕方なくて、でも知るのが怖かった。 それは今でも変わらないけれど、あの言葉が、俺がアキの傍にいることを赦したのだ。 『夜神。』 あの声が俺の名前を呼ぶたび、思いきり抱きしめて、飽きられるくらいキスしてやりたい衝動に駆られる。 なんて言ったら、ドン引きされるだろうけど。 ピンポーン。 布団に潜ってウトウトしていると、不意に玄関のチャイムが鳴らされた。 起き上がるのも億劫で、無視していると、再度鳴らされた。 しかも立て続けに2回も。 「………チッ。」 このまま無視していても、何度も鳴らしてくるだろう。 そう悟った俺は、苛立ちながら起き上がり、玄関へ向かった。
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