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やばい。考えこんでて夜神の呼びかけにも気づかなかった。
対する夜神は、そんなオレの慌てぶりにも目敏かった。
「…アイツのこと考えてたのか？」
「え？ アイツ？」
「さっきの男｡」
さっきの男って、
「柊聖さん、のこと？」
「…名前で呼ぶ仲にでもなったのか？」
「はぁ？」
また妙なところで拗ねだしたようだ。
名前で呼ぶ仲、と表現する程話していたワケじゃない。
ただあちらのお仲間さん達がそう呼んでいたから、オレも呼んだだけ。
深い意味はないのだ。
「俺が呼んでもボーッとして、あの男の事でも考えてたのか？」
「いや違うし｡」
「じゃあ何だよ｡」
「あーもーしつこいな！ お前の事だよ！ ………あ｡」
しまった。
つい口を滑らせてしまった。
ぼぼぼっ！と顔が熱くなる。
夜神は一瞬虚を突かれたように目を瞠り、それからニヤリと意地悪な笑みを浮かべた。
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