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ちょっ───!
人が行き交う道路で何してんだ!
見る! 人が見る!
焦って暴れると、夜神はいとも呆気なくオレを解放した。
「やっぱ、アンタはオレよりずっと大人だな。」
「はぁ?」
「自分より他人のことを考えて行動してる。それに比べて俺は、自分ばっかだ。」
…そんなことないよ。
夜神だって、自分より他を優先させるところはある。
家族を思い、自ら身を引いていた夜神。
そんな奴が恋人だなんて、オレにはやっぱり勿体ないくらいだ。
その事実を知らなければ、オレは多分ずっと、夜神のことを誤解したままだったと思う。
…それにオレだって、他人のことばかり考えるワケじゃない。
自分可愛さに夜神を傷つけたこともあった。
それがあの、半井さんが絡んだ出来事だ。
思い出したくないな…
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