1910人が本棚に入れています
本棚に追加
それから色々観光して、オレと夜神は旅館に到着した。
美人の女将に、部屋へ案内される。
その女将や他の女将が、夜神を見るなり頬を染めるのを、オレは見逃さなかった。
…まぁ、女は誰だってこういう反応するよな。
夜神かっこいいし。
でも夜神にはオレがいますし?
オレに超惚れてますし?
………って、痛いわ、オレ。
「さっきから何考えてる?」
「っへ!?」
夜神の声に我に返る。
「ムスッとしたり赤くなったりしてる。」
「そっ、そう?」
「…もしかして、俺があの女将のこと気にしてるとか思ってんのか?」
「えっ!? いや、そんな…」
「美人、だったもんな?」
『美人』という単語を強調された。
違う。
気にしてたのは本当だけど、それは夜神じゃなくてあの女将に対してだ。
夜神がああいう風に頬を染められるのは今に始まったことじゃないが、やっぱりいい気はしない。
でも、それは夜神からしたらどうすることもできないから。
最初のコメントを投稿しよう!