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「そろそろ出るよ。ただならぬ誤解をされてるみたいだから。」
「え? ───あ。」
柊聖さんの言葉に振り向くと、そこには険悪な表情で佇む夜神がいた。
ちなみに全裸で。
シュール。
…じゃなくて!
夜神は元々鋭い目を更に鋭くして、柊聖さんを睨みつけている。
「彼氏さん、ごめんね。偶然すぎてつい話しかけちゃった。」
「………」
柊聖さんが笑顔で夜神に話しかけるも、当の夜神は険悪な空気を隠そうともしない。
流石の柊聖さんも気を悪くしたんじゃ…とちらりと盗み見る。
が、柊聖さんは涼しい顔。
え…怖くないの?
ま…まぁ夜神が恐れられているのはあくまでうちの地元一帯だけだから、地元以外の人は知らないかもしれないけど。
対する夜神は突っ立ったまま一向に温泉に入ってこない。
警戒しすぎじゃないか?
「じゃあ、出るね。───あ。」
柊聖さんは温泉から出ようとして、何かに気づいたようにオレを見た。
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