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「名前…何ていうの?」
「…オイ。」
柊聖さんがオレに訊いてくると、夜神が不機嫌そうな声を出した。
せっかくの旅行だし、思い出作りの一貫として自己紹介するのもアリかな、と思ったオレは、
「如月 暁です。」
「アキっ!」
あっさり自分の名前を明かした。
「俺は柊聖。…また会えるといいね。」
「………」
「………」
気まずい沈黙が続く。
柊聖さんが出ていった後、夜神がオレの隣に入ってきた。
…が、さっきから一言も発さない。
不機嫌な顔のまま、オレの隣に座っている。
…オレ、何かした?
いや、多分夜神のことだから、せっかくの2人きりの旅行なのに、オレが他の誰かと仲良く話していたのが気に入らないのだろう。
気持ちはわからないでもないけど、旅行だからこそああいう出会いもいいと思うんだけどなぁ。
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