ドキドキ?旅行しよう!

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頭上から聞こえた、女の子の声。 ハッと我に返って顔を上げると、そこには金髪の女の子。 …あ。 見覚えがある、この子。 というかこんな目立つ頭してたら、嫌でも忘れられないと思う。 「大丈夫ですか? 具合悪い?」 彼女は心配そうな顔でオレを見下ろしていた。 …あれ? もしかしてオレのこと、覚えてない? まぁこんな平凡顔、一度会っただけじゃすぐ忘れるか… ちょっと落ち込む。 あ、待てよ。 彼女がここにいる、ってことは、もしかして… 「瑶子、どうした?」 やっぱり。 もう何度も聞いた声が廊下に響いた。 「んー、なんか具合悪そうな人がいて。」 「…!」 瑶子さんと呼ばれた彼女の後ろから、柊聖さんが顔を覗かせた。 そしてオレの姿を認識して、軽く目を瞠った。 「…瑶子、先部屋戻ってて。」 「え?」 「俺、その人介抱するから。」 「なんで? もしかして知り合い?」 キョトンとした顔で柊聖さんを見るその子に、柊聖さんは呆れた顔をした。 「お前…記憶力悪すぎ。昼間神社でぶつかっただろ。」 「えっ……あ、ああ!」
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