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「夜神が怒る理由、わかってた筈なんだ。だけど、その理由で怒ることに、共感できてなかった｡」
黙ったまま、静かにオレの話を聞く夜神に、感謝する。
こうして自分の気持ちを邪魔されずに吐露できるのは、今しかないから。
「オレがお前の立場だったら、多分………もやもやすると思う。お前がオレのことを好きでいてくれてるのは充分わかってるつもりなのに、他の誰かがお前に魅力を感じるのは、なんというかすごく嫌だ。夜神の魅力を知ってるのはオレだけでいいって思っちゃうんだよな｡」
高校生の時、夜神を狙う先輩に感じた嫉妬を思い出す。
…なんだかなぁ。
結局オレと夜神は同じ。
ただ独占欲が強いだけだ。
たったそれだけで、こうも拗れてしまうものなんだろう。
独占欲。
言い換えればそれは、ただ誰よりも相手を強く想っているだけ。
ただそれだけなのだ。
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