ドキドキ?旅行しよう!

54/76
前へ
/220ページ
次へ
…ああこれだ、と思った。 オレが求めていた温かさは、これなんだと。 実感した体温に、何度思わされてきただろう。 いつの間に部屋に戻ってきていたのかとか、もう頭は冷やせたのかとか、そんなのはどうでもよかった。 「ごめん。」 「っ…」 「明らかに俺が悪ィのに、アンタに謝らせるとか、俺は最低だな。」 違う。 そんなことを言わせたいんじゃないよ。 ただ、オレは。 「もう知ってると思うけど、俺は自分で思ってるより何倍も独占欲が強ェみてぇだ。だから今日みてぇなことはこれからもあると思う。」 「………」 「それでも…俺の傍にいてくれるか? 俺の傍に、いたいと思ってくれるか? 俺に…傍にいてほしいと、思ってくれるか?」 …そんなの、決まってる。 傍にいたいに決まってる。 いてほしいに決まってるだろ。 「当たり前だ、バカ。」
/220ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1910人が本棚に入れています
本棚に追加