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目の前に回された夜神の腕に触れる。
すると、オレを抱きしめる腕に少しだけ力が込められた。
「多分、喧嘩した時はお互い頭に血が上って冷静に考えられないと思うからさ……その時は、お互い頭冷やして、話し合えばいいと思う。」
「そうだな。」
「…別れたくないよ、夜神。」
願望にも似た想いだった。
オレも夜神も人間だから、我が儘になる時もあるし、喧嘩したりもする。
でもそれが原因で別れるような…脆い関係にしたくない。
「アキ、俺はアンタと付き合い始めてから今まで、何度も、耳にタコができるくらい言ってきた筈だ。
何があっても、俺はアンタと別れる気はねぇ。」
本当に、耳にタコができそうなくらい聞かされてきたセリフだ。
でも、聞くたびに安心する。
「もっと言ってよ、夜神。」
「アキ…」
振り向いて、真正面から夜神の視線を受け止める。
「もっと…オレを安心させてよ。」
その言葉が合図だったかのように、夜神の熱いキスが降りてきた。
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