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「っ、アキっ、…怖がるな…」
「ああ──…み…っやがみ…!」
「…っ、ハアッ……俺と一緒に、溺れろよ…」
「も、だめっ、だ、め…!」
快感。
悦び。
不安。
幸福。
恐怖。
全てがごちゃ混ぜになって、右も左もわからなくなって、言葉にならない声がだらしなく漏れる。
オレを強く抱きしめてくれる夜神の温もりだけが、唯一の救いだった。
「アキ、アキっ…」
魘されたように、夜神がオレを呼ぶ。
「アキっ…好きだ。」
「あっ、ああ…はっ、あ…、」
「好きっ…好きだ、アキ…!」
狂ったように、オレへの想いが吐露される。
…それだけで。
いっぱいになる。
好きだ。
好きだよ夜神。
「好きッ───……」
最後に絞り出された声がどちらのものなのかは、わからなかった。
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