ドキドキ?旅行しよう!

66/76
前へ
/220ページ
次へ
「フッ……フフッ」 「何がおかしい?」 何故か笑いだす柊聖さん。 それが夜神の不機嫌に拍車をかけていると知ってか知らずか。 食堂で朝食を取っている他の宿泊客の何人かが、何事かとこちらの様子を窺っている。 「いやね…本当に、彼のことが好きなんだなと思って。」 「馬鹿にしてんのか?」 「まさか。むしろその逆。俺は昔の恋人に対して、こういう場でも堂々と宣言できなかったから、隠そうともしない君と、如月くんが眩しく見える。」 オレは恥ずかしいですけどね。 まっすぐ過ぎるのは、時に毒だ。 「………」 「安心してよ。別に如月くんを君から奪おうなんて微塵も思ってない。それに、もう会うこともないだろうし。」 夜神は黙って柊聖さんを睨みつけていたが、やがて視線をそらした。 「…とっととテメェの連れンとこに戻れ。二度とアキに近づくな。」
/220ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1910人が本棚に入れています
本棚に追加