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「フッ……フフッ」
「何がおかしい?」
何故か笑いだす柊聖さん。
それが夜神の不機嫌に拍車をかけていると知ってか知らずか。
食堂で朝食を取っている他の宿泊客の何人かが、何事かとこちらの様子を窺っている。
「いやね…本当に、彼のことが好きなんだなと思って。」
「馬鹿にしてんのか?」
「まさか。むしろその逆。俺は昔の恋人に対して、こういう場でも堂々と宣言できなかったから、隠そうともしない君と、如月くんが眩しく見える。」
オレは恥ずかしいですけどね。
まっすぐ過ぎるのは、時に毒だ。
「………」
「安心してよ。別に如月くんを君から奪おうなんて微塵も思ってない。それに、もう会うこともないだろうし。」
夜神は黙って柊聖さんを睨みつけていたが、やがて視線をそらした。
「…とっととテメェの連れンとこに戻れ。二度とアキに近づくな。」
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