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「何話してたんだ?」
真哉さんとの通話を終えて、オレは夜神にそう訊ねた。
聞きたいような聞きたくないような、複雑な気分。
なのでオレは聞く方を選んだ。
「別に大したことじゃねぇよ。」
返ってきたのはそっけない言葉。
なんだよ、人の電話勝手に中断させといて…
ムッとするオレの隣に、夜神が座ってきた。
「ベッドの上でなら教えてやれるけど。」
「っ、はぁっ!? 意味わかんねー!」
つまりはオレが恥ずかしがる内容ってことですね!
じゃあいいです!
「…にしても、正直ホッとしてる。また夜神が不機嫌になって拗れたらどうしようかと思った。」
「…悪かったな。」
夜神がバツの悪そうな顔をした。
旅行でのことを言ってるんだろうな。
「真哉相手に、今更昔みてぇな嫉妬はしねぇよ。ずっと一緒にいた奴だから。…アキのことは絶対に譲れねぇけど、もし万が一、アイツがアキに迫ったとしても、俺はアイツを赦すと思う。」
「………」
「多分、な。」
「そっ…か。」
「でも、それ以外は我慢できねぇかもしんねぇ。アキを悲しませたくねぇから、旅行ン時みてぇなことに今後ならねぇようにはするけど…」
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