目に見える証

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「そういえば…今日、帰りおせぇから、夕飯いらねぇわ。」 「え、そうなの?」 「ん。ゼミの飲み会。」 「…へぇ。」 驚いた。 あの夜神が、ゼミとは言え飲み会に参加するとは。 そういうの片っ端から断りそうなのに。 ていうか断ってたけど。 「…今まで嫌だっつって帰ってたけど、流石に1回は出ねぇとと思って。ま、本音はとっとと帰りてぇけど。」 「珍しいな。」 「成長してるだろ?」 ニヤッと笑う夜神に、思わず笑みが溢れた。 ガキ扱いされるの、普段はすごく嫌がるくせに。 「でも本当にどういう風の吹き回しだよ? 悪いことじゃないけど、お前が飲み会参加とかレアじゃん。」 「俺だって好きで行くんじゃねぇっつの。…ただ、いつまでもこのままってワケにはいかねぇから。」 「………」
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