目に見える証

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“いつまでも、今のままでいるワケにはいかない” …その通りだ。 オレも夜神も、この先現状に甘んじていていいワケがない。 “結婚” このたった2文字が、オレの思考をがんじがらめにする。 「─────おい、アキっ」 「っ!」 夜神の一声で、またもや自分がトリップしていたことに気づく。 またやっちまった。 「…やっぱ何か悩んでんだろ?」 「だから違うって。」 「………ったく…」 頑なに否定するオレに諦めたのか、夜神は溜め息をついた。 悪かったな頑固で。 「言いたくねぇなら言わなくていい。でもまた前みてぇなことになるのは御免だからな。」 「わかってるって。」 夜神はオレの頭をぽんぽんと優しく叩くと、徐に立ち上がった。 「じゃ、そろそろ行くわ。…俺が帰るまで寝んなよ?」 「…努力はする。」 とは言ってもいつ帰ってくるんだ…
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