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「───で、なんでお前も入ってくるんだよ!」
浴室にオレの怒声が反響する。
風呂に入ったオレの後を追って、何故か夜神も入ってきた。
ただでさえ狭い浴室なのに、ガタイの良い奴が入ると冗談抜きで身動きが取れない。
狭い。
邪魔。
「何言ってんだ。俺と一緒に入りてぇから、今まで風呂も入らずに待ってたんだろ?」
「ちっっげーわ! そんなん欠片も考えてない! 出てけ邪魔!」
追い出そうにも、夜神のデカイ身体を力ずくで何とかするのはオレには無理。
オレが出ていくしかない。
…のに、夜神が扉側にいるから出ていく隙間がない。
「同棲始めてからこうして一緒に入るのは初めてじゃねぇだろ。今更何抵抗してんだ。」
「~~~~~ッ、うるさい!」
振り向いてキッと睨みつけてやる。
すると、それを待っていたかのように、夜神の両腕がオレの身体に絡みついた。
そして夜神の胸板に押しつけられる。
服越しでもなく素肌が密着して、心臓が破裂しそうになる。
…こういう接触は初めてじゃない。
今まで何度も、何度も素肌で触れ合ってきた。
なのに改めて、それを意識すると、一気に恥ずかしさが込み上げてくる。
ドキドキしすぎて死にそうになる。
熱くて熱くて………燃えそうだ。
夜神も、同じ事を思っているのかもしれない。
隠しきれない熱が存在感を増しているのが、その証拠だ。
オレの下腹部に当たるソレに、神経の半分以上が持っていかれた。
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