目に見える証

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──────…… 「…ん……」 いつの間に寝ていたらしい。 風呂に入った後、夕食を摂ろうと思ったけれど、なんとなく食欲が湧かなかった。 ソファーに腰掛け、ぼんやりとテレビを観ていた。 そして気がつけば、眠っていた。 時計を見ると、夜の10時を回っている。 夜神は…… 「まだ帰ってないか…」 少し落ち込む。 でも今顔を合わせても、どんな態度を取れば良いのかわからない。 「────ただいま。」 「!!」 噂をすれば… 咄嗟に寝たフリをする。 いや、寝たフリなんかしたところで現状が変わるワケじゃないけれど。 「アキ?」 夜神が部屋に入ってくる気配。 顔を合わせづらくて、寝たフリ続行。 「アキ、寝てんのか?」 「………」 「フゥ…」 足音が近づいてくるのが聞こえる。
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