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「気づいてたのかよ!?」
「あんなヘタクソな寝たフリ、俺じゃなくとも気づくっつぅの。」
「ヘタクソ言うな!」
「つーかなんでわざわざ寝たフリなんかしてたんだよ?」
「う…」
理由を問われると言葉に詰まる。
顔を合わせづらかった…とか。
その原因が、つい数時間前夜神が女の子と個室居酒屋に入っていった場面を見てしまったこと…とか。
オレが色んな不安に苛まれていることを、夜神には知られたくないのだけれど。
「…アキ? どうした?」
「………」
「アキ。」
不意に頬に触れた夜神の手。
安心する手。
──────けれど。
数時間前の光景が。
夜神と女の子の後ろ姿が甦る。
その瞬間、オレは思わず夜神の手を退けていた。
夜神にとって、オレのその行動は予想していなかったようだ。
目を瞠ってオレを見ている。
「アキ…?」
「…ごめん。」
「なんで謝る?」
「ごめん…」
「っ…アキ!」
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