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で、翌日。
オレは何故か、レンタカーショップにいた。
「???」
夜神はと言うと、店の奥で何やら手続きをしている。
いやマジでワケがわからん。
「アキ、お待たせ。」
「あ…」
「行くか。」
「う、うん…」
夜神は自然な動作でオレの手を引いた。
「─────で、どこに行くのかそろそろ教えてもらっていいデスカ?」
ワケがわからないままレンタカーの助手席に乗せられ、オレは窓から流れていく景色を眺めながら訊ねた。
「ん? イイトコ。」
「………」
返ってきた答えはわかりきっていたモノだった。
チラリと盗み見た夜神の運転する姿は、……………悔しいが、かっこいい。
同じ男としても憧れる。
こんなイケメンの恋人が何の取り柄もない同性だなんて、誰も思わないだろう。
…そう思うと、ほんの少し和らいでいた不安が一気にぶり返してくる。
「アキ、何考えてる?」
「!」
「妙なこと考えんなよ。…俺はアキを悲しませるようなことは絶対しねぇから。」
毅然としたその物言いが夜神らしい。
夜神らしいからこそ─────少しだけ安堵した。
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