目に見える証

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今まで溜め込んでいた物が、一気に溢れた。 オレが喋っている間、夜神は横槍を入れることなく黙って聞いていた。 怖くて、その表情を見ることができない。 「オレたちはまだ学生だから。まだ子どもだから……社会に出たら、もっと広い世界を知ることになる。そうしたら……」 一瞬、言葉に詰まる。 「……今までとは考え方が変わってくる。そうしたら……そうしたら、オレとお前が一緒にいるこの現状も変わるかもしれない。どこかで、綻びが生じてくるかもしれない。その綻びから、どんどん亀裂が広がっていったら…… なんか色々考えちゃって、頭ン中混乱しちまったんだ。」 一気に喋って、大きく息を吐いた。 吐き出した物は消せないけれど、それで夜神がオレから離れていくなんて思っていない。 それに……吐き出したことで、オレは更に確信したんだ。 「……まさかそんなとこ、見られてたなんてな。」 夜神が口を開いた。 「一応、弁解させろ。俺の学科で今、グループに別れてテーマ決めてプレゼンすることになってんだ。昨日は俺のグループの奴らで飲もうってなってたんだ。俺ともう1人は図書館で資料探してて、他の奴らより遅れて居酒屋に行った。」 「………」 「アンタが見た女は、同じグループになった奴だ。ついでに言っとくと、ソイツは既に付き合ってる男がいるし、婚約までしてるんだってよ。」 「そ…そう、だったのか…」
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