おとなしくしてろよ

13/18
前へ
/220ページ
次へ
でもせっかくアキが言ってくれたし、これを逃すと一生手とか繋げねぇ気が… いや待て。ここで万が一理性がぶっ飛んで取り返しのつかないことをしでかしたら… アキを傷つけるような真似はしたくない。 でも俺を気遣ってくれるアキの厚意を無下にもしたくない。 散々悩んで、差し出されたその手を前に躊躇していると、 「…!」 突然手を掴まれ、握られた。 心臓がバクンと大きく跳ねる。 俺の手を握っているのは他でもないアキ、なのだが。 …柔らかい。 女みたいだ。 握られている手に全身の血が集中する。 「…お前、手、めちゃくちゃ熱いな。相当熱あるんじゃないか?」 「………」 そんなの当たり前だ。 アンタの手に握られてるんだから。
/220ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1909人が本棚に入れています
本棚に追加