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つっけんどんに放たれた言葉は、照れ隠しに他ならない。
でも夜神はそれをわかっている。
「そうだよ。だから、アンタは一生俺の傍にいなきゃなんねぇんだ。」
自信満々に告げられたその言葉。
それだけでひどく安心する。
暗がりで夜神の顔ははっきりとは見えない。
でも、近くにいる。
ちょっと手を動かしただけで触れられる距離にいるのだ。
「オレに他の選択肢は1つも与えられないワケか。」
冗談めかしてオレがそう言うと、
「────!」
今までオレの視界を占めていた天井がなくなった。
代わりに夜神の端正な顔。
それが至近距離にあるから、暗がりとは言えよく見える。
「他の選択肢とか存在しやがったら…その選択肢を潰す。」
「………」
「そもそもそんな隙作らせねぇ。」
「………」
「“他の選択肢”なんて概念、存在させねぇくらい、アンタのこと愛してやれる自信あるから。」
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