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ガバッと頭を起こし周りを見回すと、意外と近いところにソイツはいた。
「起きたか? ───アキ。」
「…夜神。」
どうやらオレの頭を撫でていたのは夜神らしい。
というか、何故ここに?
「授業は?」
「とっくに終わった。」
「抜けてきたんじゃないだろうな?」
「ちげぇよ。時計見てみろ。」
促されるまま腕時計を見ると、4限目が終わってだいぶ経っていた。
どんだけ寝てたんだ? オレ。
夜神は頬杖を突いてオレを見ている。
「随分と気持ち良さそうに寝てたな。そんなに疲れてるのか?」
「そうじゃないけど………なんかこう、静かすぎると眠くなるっていうか。」
口にしたことは嘘じゃない。
ただ、今回は色々考えすぎてたせいで眠くなった…と思う。
うん、自分で言っててよくわかんねーや。
「授業終わってソッコーで来たのに、寝てるし。すげー脱力した。」
それは…ゴメン。
「で、ちょっとムカついた。」
「…え。」
夜神は若干むすっとした顔をしたけれど、直後にオレの顔に触れた手は優しかった。
「アキの可愛い寝顔、他の奴にまで晒してんなよ。」
「はぁ?」
「アキの無防備なトコ見れんの、俺の特権だから。」
「何言ってんの、お前。」
相変わらず、意味不明な拗ねかたをする。
イケメンが形無しだぞ。
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