1910人が本棚に入れています
本棚に追加
/220ページ
夜神が本気で心配そうな顔をしている。
いや…そんな心配されるほど深刻な悩みでもないんだけど…
オレにとっては深刻か?
…とにかく、このことは穏便に、夜神に知られないうちに収束させなければ。
「ほんと、何でもないから。…やっぱ疲れてんのかも。」
「………」
「今まであんまり気にしてなかったけど、大学とバイトの両立って疲れるのな。」
これ以上の追及は許さないとばかりに、饒舌になる。
夜神は物言いたげな顔でオレを凝視していたが、オレはそれに気づかないフリをしてリビングへと向かった。
『例の彼、いつがいいか聞いてくれた?』
夜神が風呂に入っている間にスマホを開くと、半井さんからメールが来ていた。
予想以上に押せ押せな半井さんに、若干(いやかなり)引く。
このままどんな理由を作ってかわし続けていても、半井さんの攻撃は止まらないだろう。
最初のコメントを投稿しよう!