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「アキ。」
「───っ」
不意に夜神の声が近くなったと思ったら、夜神がオレのすぐ背後に立っていた。
トン、と夜神の手が洗面台に置かれた。
オレの背中と、夜神の胸板が触れる。
心臓が痛い。
ドキドキしすぎて、ものすごく痛い。
触れている部分が───熱い。
「アキ。こっち向けよ。」
「………」
振り向ける筈がない。
今振り向いたら、きっと、オレはすごく情けない顔を晒してしまう。
「アキ。」
強く肩を掴まれ、無理矢理後ろを向かされる。
驚いて見上げると、眼前には夜神の顔。
「───…っ」
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