1910人が本棚に入れています
本棚に追加
/220ページ
口を突いて出たのは、そんな情けない言葉。
でも、仕方なかった。
半井さんに強引に迫られて。
実はオレたち付き合ってますなんて言えなかった。
半井さんも、まさか自分が狙っている男が同性と付き合ってるなんて夢にも思っていないだろう。
うまい言い訳が思い付かなかった。
半井さんから夜神を遠ざける為の口実が。
だからと言って、オレたちの関係をオープンにできるほどの勇気をオレは持ち合わせていない。
「仕方ない、だと?」
案の定、夜神の怒りを煽ってしまっていた。
ますます力を増す手。
痛む手首。
痛いのは、手首だけじゃない気がする。
最初のコメントを投稿しよう!