危険だらけのキャンパスライフ?

33/73

1910人が本棚に入れています
本棚に追加
/220ページ
夜神は、オレに対して怒ることはあったけれど、手を上げたことは一度もなかった。 夜神は絶対にオレに手を上げることはないと信じていた。 茫然と夜神を見上げると、夜神も信じられないといった表情でオレを見下ろしていた。 「あ…」 「…っ」 互いに茫然としてしまっていて、一言も発しない。 殴った夜神ですら、今起こった事態に驚いているようだった。 重苦しい沈黙。 他の客が来ないことが、唯一の幸いだった。 居たたまれない。 逃げ出したかった。 その場から。 ───夜神がオレを殴ったという事実から。 とにかく、逃げ出したかった。
/220ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1910人が本棚に入れています
本棚に追加