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ーー
「はぁ~…」
本日何度目になるかわからない溜め息。
その原因はわかってる。
今朝起きて、もしかして夜神が帰ってきているかと期待したが、やはり姿は見当たらず。
家にも帰りたくないくらい、オレと顔を合わせたくないのか…
自業自得だとわかっていても、落ち込むものは落ち込む。
そしてオレを更に落ち込ませる…というか驚愕させる事実が発覚した。
「半井? …ああ、萌絵のことか。アイツなら今日は午後から出るって。」
「午後から?」
「なんでも、家に男泊めて超盛り上がったらしくて、寝不足なんだと。」
…ショックだった。
昨日の夜に男を泊めたって、状況的にどう考えても夜神…だよな。
半井さんが独り暮らしかどうかは知らないが、女が男を泊めるのは、“そういうこと”も有り得るワケで。
夜神なら、半井さんを放置して(半井さんには悪いけど)帰ってくると思っていた。
でも実際は帰ってこなかった。
それどころか、彼女の家に泊まったのだ。
心臓が早鐘を打つ。
このまま、夜神を失うかもしれない。
…取り返しのつかないことをオレはしてしまったのだと、その時初めて理解した。
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