1910人が本棚に入れています
本棚に追加
/220ページ
ーー
次の日も、夜神はアパートに帰ってこなかった。
朝起きて、夜神が帰宅した痕跡が全くないことに、オレは愕然とした。
夜神が帰ってきた時の為にと作り置きした食事にも、手をつけられた形跡がなかった。
嘘だろ…
2日続けて帰ってこないなんて、一体どこにいるんだ。
いや…それよりも何よりも、帰ってきたくないくらい、オレと顔も合わせたくないのか。
それが一番ショックだった。
スマホを取り出すと、電話帳から夜神の名前を探す。
通話ボタンを押そうとして一瞬躊躇ったが、もうそうするしかない。
思いきってボタンを押し、スマホを耳に当てた。
待つこと数十秒。
『只今電話に出られません。ピーッという音の後に………』
耳に届くのは、無機質な音声案内。
ブチリと切ると、もう一度かけ直す。
それでも最後には留守電に切り替わる。
何回もかけ直す。
何回も、何回も。
それでも、夜神が電話に出ることはなかった。
最初のコメントを投稿しよう!