危険だらけのキャンパスライフ?

39/73

1910人が本棚に入れています
本棚に追加
/220ページ
───本当に、もうダメかもしれない。 今度こそ夜神に愛想を尽かされたかもしれない。 『只今電話に出られません。ピーッという合図の後に、30秒以内でメッセージをどうぞ。』 「夜神───聞いてるか?」 声が震える。 夜神はこれを聞いてくれないかもしれない。 聞いてくれたとしても、どう思うか。 すごく怖かった。 「こないだのこと、ホントに悪かったと思ってる。反省してもしきれない。すごく後悔してる。 …帰ってきてほしい。この家に。オレと顔合わせたくないなら、オレが出てくから。夜神は、ここに帰ってきてほしい。ここはお前の家で、お前の帰るべき場所だ。」 本当は、こんなこと言いたくなかった。 でも、これしか言えない。 口下手なオレには、こんな言葉でしか、お前が大切だってことを伝えられない。 「夜神、好きだ。すごく好きだ。」 もう一度、ピーッという音が鳴り響く。 タイムリミットだ。
/220ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1910人が本棚に入れています
本棚に追加