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…とは言え。
出てくと宣言したものの、今すぐ荷物まとめて…なんてできる筈もなく。
とりあえず、どこかに数泊できるくらいの生活必需品(主に下着類)をスポーツバッグに詰める。
そしておもむろに電話をかけた。
「───で、家を出てきたと。」
助けを求めたのは、高校からの親友である真琴。
真琴とは別々の大学に進んだけれど、今も時々会うなど、交流は続いている。
だから今回もこうして助けを求めた。
大した準備もせず家を飛び出したオレの頭に真っ先に浮かんだのが、やはり真琴だったから。
真琴はいつも冷静で、且つどこか薄情な部分もあるけど、オレが本当に困っているのを見捨てる程じゃない。
それがわかってるから、オレも安心して真琴に助けを求められた。
「今回は流石に暁の方に非があるよな、ソレ。」
「うぅ…」
仰る通りです…
真琴はコーヒーを2人分淹れて片方をオレに差し出した。
こーゆートコ、好きなんだよなぁ。
いやいや変な意味ではなくてね?
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