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「女と会わせようとコソコソセッティングしてたんだろ? 誰だって怒るって。」
「別に本気で会わせようとしてたワケじゃないし! むしろ会わせないようにアレコレ考えてたのに…」
「隠してたことには変わりないだろ?」
「う…」
「お前にもお前なりの事情があったんだろうけど、端から見れば隠れて女と連絡取り合って自分との仲とりもとうとしてるようにしか見えないだろ。」
「………」
「挙げ句逆ギレして酷いこと言ったんだろ? そりゃ傷つくわな。」
淡々と整理されていく事実に、改めて凹む。
客観的に聞いたら、オレ、マジでサイテーな奴じゃん。
今回自分が夜神にしたことは、まさに漫画でしか読んだことがない展開だ。
自分がこんな事態に直面することは生涯ないだろうと思っていたのに、まさか現実になるとは。
しかも───…オレが原因を作って、傷つけた。
心にもないことまで言って、余計に傷つけた。
その結果が、コレ。
何なんだ。笑えるくらい漫画みたいだ。
…いや、笑えないけど。
今回ばかりは、本当の本当にダメかもなぁ…
「ていうか、本気でアパート出るつもりなの?」
どこからか持ってきた芋けんぴを食べながら真琴が訊いた。
今時大学生が芋けんぴ…真琴、なかなか渋いな。
「半分本気…」
「いいのか? 出たら今度こそ終わるかもだぞ?」
「………」
「もう頭冷やせた頃だろうし、1回話してみたら?」
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