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目の前を、火花が弾ける。
前後左右もわからず、ただ終わりの見えない感覚に翻弄される。
「あ───…」
「アキ。」
再び夜神の顔が視界いっぱいに現れた。
紅潮した頬。
優しく細められた切れ長の瞳が、愛おしげにオレを見つめる。
けれど───
「お、まえ…」
徐々にクリアになる頭が、
“あること”に気付き始める。
もしか、して。
「の、飲ん…だ?」
いわゆる“口淫”をしていたワケで。
オレは出したワケで。
…いや、まさか、な…
「…汚すといけねぇからな。」
そう言って不敵に笑った夜神を見て、頭が沸騰しそうになる。
───同時に、ゾクゾクした。
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