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なんだか悔しくて、夜神の抱擁から逃れようと目の前の胸を押すも、びくともしない。
むしろ夜神の抱きしめる力がより強くなった。
「悪ィな。途中から完全に理性飛んでた。」
「う…」
「2日も触ってねぇからって、あんな歯止め効かなくなるとは思ってなかった。」
さらさらと髪をすくように撫でられる感触が心地好い。
「アキ、身体つらくねぇか?」
「つらいどころか、痛すぎて立てない。」
オレの身体を労ってくる夜神。
その優しさは嬉しいけれど、大袈裟でもなく本気で痛いしつらいから、つい恨み言のようになってしまう。
「すまねぇ…アンタが可愛すぎて、抑えんの無理だったわ。」
「いや意味わかんねーし! こっちはマジで死ぬかと思った!」
「悪かったって。」
ぷりぷり怒るオレとは対照的に、夜神は楽しそうだ。
オレだって本気で怒ってるワケじゃないけど、余裕たっぷりなコイツの様子を見ていると、やっぱり悔しくて。
態度もつっけんどんになる。
「ごめんな?」
「………」
…そんな、甘えるように言われたら。
怒りも削がれるというものだ。
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