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「ま…まぁ、今回お前にはひどいことしたし…お詫びの意味も込めて、大目に見てやる。」
「フッ…そりゃどーも。」
頭上でクスクスと笑う気配。
…あーあ。
やっぱり、コイツには敵わない。
男相手でも、
抱きしめられてドキドキするのも、
キスされて身体が熱くなるのも、
…離れた分だけ、欲しいと思うのも、
コイツだけだ。
夜神だけ。
「アキ。」
「何。」
「もう、離れねぇから。傷つけても、傷つけられても、俺はアンタの傍から離れねぇ。アンタが逃げても、必ず捕まえて連れ戻す。」
抱きしめられていて、夜神の表情は見えない。
フツー、そーゆーセリフは顔見て言うもんだろ。
ま、顔突き合わされてもこっちが恥ずかしくて死ねるから、いいけど。
「それさ、」
「ん?」
オレを抱きしめる夜神からも、オレの顔は見えていない。
だから、オレにとっては好都合な状況だった。
「そっくりそのまま、お前に返す。」
End
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