五月雨の中の恋心

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すると、遠くから足音が聞こえてきた。 私は膝に顔を埋めて頭の隅っこで、忘れ物でもしたのだろうかと考えてはすぐに消し去った。 けれど、足音は段々と近づいて、いきなりドアが開いたことに肩が跳ねる。 「よかった…」 息を切らした男の人の声が室内に響いた。 「え…?」 ゆっくり顔を上げると、電気をつけられたらしく、光に慣れない目は細めるしかない。 眩しい… 「水瀬さん…」 「は、い…?」 鼻声、恥ずかしい 化粧が崩れて顔も洗ってない顔で、恥ずかしい 私を呼ぶ彼は、私のいるソファまで歩いてきて、目の前で立ち止まった。 見上げなきゃいけない私は、本当に不細工な顔をしているだろう。
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