五月雨の中の恋心

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一人になって、シーンと静まり返る室内は誰もいない、お前は一人だと突きつけられているようで悲しくなった。 振られた日に一人はダメだと実感した。 「今、何時だろう…」 腕時計を見たら21時42分。 だいぶ時間は経っていたらしい。 涙に濡れた頬は乾いて突っ張る感じがする。 研究室は電気を消したから、外の街灯の灯りが差し込むだけ。 ソファに身を縮めて、ヒールは無造作に脱いだ後。 頭の中は、どうしてだろう?なんで別れ話になったんだろう?自分が何かしたのか?と次々と考え出てくる内容を純にメールで送ろうとしてはまた涙が出る。 送っても返ってこないんだ… 「なんでっ…」 純は、今何をしてるんだろう。 諦めきれない自分は頭の中は彼でいっぱいなのに、その彼はもう私の隣で笑ってくれない。 カフェで別れを告げられて、ため息をこぼされた時は驚いて信じられなかった。 1日でこんなに態度が変わってしまうのかと。 ショックで、信じたくなかった。
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