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ジッと見つめてくる彼は、眉を下げて悲しそうに瞳を揺らす。
座っててもわかる細身で長身。
髪はパーマが軽くかかっていて、ミルクティ色の髪が色白の肌には凄く合っていて、ハーフなのかと勘違いしそうになる。
彼の瞳に耐え切れず顔を逸らす。
「あの、だれ、ですか?」
「え、あ、俺はここの研究員の村雨弥一(むらさめやいち)って言うんだけど……」
「あ!ご、ごめんなさいっ!私、3人くらいしか研究員の名前知らなくて!ほんと、すいません」
まさか、ここの研究員だとは知らずに彼の発した言葉に驚きが隠せない。
研究員の名前を四年生のくせに未だに覚えてないなんて、今更ながら失礼すぎるわたしっ……!
「落ち着いて。それより水瀬さん、これで目を冷やして」
彼の手には冷やされたタオルとケーキを入れるような紙の箱が握られている。
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