466人が本棚に入れています
本棚に追加
/101ページ
涙が止まって落ち着いた頃、涙の理由を独り事のように口を開いた。
「今日、高校の時から付き合っていた彼に振られたんです。
滅多に彼から連絡が来ないし、今日朝一で会おうって連絡が来て嬉しくて、研究も集中できないくらいだったんです。
でも、何が原因か、っ...わからなくて...
昨日の夜も好きだって言ってくれたのに、数時間後には気持ちが変わっていて...。悪い冗談だって言ってほしかったっ...諦めたくない、信じたくないんです...っ」
ひょっとしたら、純は私のことを好きではなくて、昨日の言葉もマニュアル化されたものだったのかな。
落ちる涙はスカートにシミを作っていく。
「どうして、っどうしてこんな、」
再び泣き崩れる私。
村雨さんはただ隣に座って、話を聞いてくれていた。
外では五月雨が私の心の内を表しているように激しくなっていた。
最初のコメントを投稿しよう!