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「笑奈?!」
私に気づいた英子が勢いよく立ち上がると、鈍い音を立てて椅子が転がった。
私は覚束ない足で英子に近づいていくけど、ヒールで歩く足は本当に今にも転びそうで、英子は私を抱きしめて奥のソファに座らせた。
ざわついている室内を英子は静めて、私の背中を撫でながら何があったのかを聞いてきた。
「っ…英子…、わたしっ」
乾いた涙も再び溢れて頬を濡らす。
「純に、……ふられ、ちゃったっ……」
そこまで言って、私は英子の胸で泣いた。
英子は何も聞かずただ私を抱きしめて落ち着かせるように背中をポンポンしてくれた。
涙は本当に止まることを知らないよう。
抱きしめられてる温かさも純に抱きしめられた時を思い出させてまた溢れていく。
それから徐々に研究員達も帰宅して行って、英子も残ると言ったけど私は一人になりたいと言って英子も帰らせた。
研究室は泊まり込みで使うことも多いから、隣の休憩室にはシャワーもあるから帰らなくてもここで生活できる。
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