第4章 ハピネス

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「へえ、不思議だな。なんでいるって思ったんだろうな」 「子供の発想は豊かだから」 「ハハッ そこか」 まあ、可愛いと思えばそれまでだけど、俺ら夫婦にしたら笑えない冗談だ。深刻な悩みだというのに。 「はい!熱いからフーフーしてね」 にーこが双子の前にクリームシチューと手作りロールパンを置く。双子が来ることも多くなったから、うちには子供用のスプーンもあったり。 「ママ、たべていい?」 朝陽がスプーンを持ってにーこにそう聞くと 「なんていうんだっけ?」 「「いただきます!」」 「ふふ、めしあがれー」 キッチンから微笑む笑奈は双子のそんな姿を見て、幸せそうな表情だ。 俺はそんな表情を見て日々胸が苦しくなる。 「早くなんとかしてあげたいんだけどさ」 そんな言葉をこぼし、凪斗も深刻な表情に変わった。

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