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長い冬が終わり、桜の花が咲く頃にその祭りは行われる。 鬼の面を被った者を村人が追いかけ、泥の団子をぶつけ、槍でつついて山へと追いやる。 鬼は春の訪れと共に災いを背負って山から下りてきて幼子を食らう。 そんな風に聞かされていた。 村に足を踏み入れたらどうなるのかを鬼に見せつける為の祭り。 鬼が可哀想…… 幼心に私は少しそう思っていた。
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