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お天道様がかくれんぼしたらその日は終わり。 あったかいおまんまが待っているおうちへと一目散に帰る。 それまでは、追いかけっこしたり、お花を摘んだり、バッタを捕まえたり、時には母ちゃんの手助けをして小さな身体を目一杯動かして遊ぶ。 私が生まれた村は山の麓にあって、ぐるりと円を描く様に背丈よりもずっとずっと大きな木が取り囲んでいた。 その外側がどうなっているのかなんて知らない。 それを教えてくれる人は誰もいない。 この村を訪ねてくる人なんていない。 小さな小さな村だから、みんな顔見知りで家族同然に寄り添って生きてきた。
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