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「鬼っ子が現れた!」 いつもに昼下がり――― 村中が上へ下へとひっくり返る大騒ぎになった。 私は大人たちの作る団子の間をするりとすり抜けて、騒ぎの中心へと躍り出た。 この子が鬼……? それが第一印象だった。 お祭りの中の鬼は角を生やして、ぎらぎらとした大きな目で追いかけて来る。 挙句、子供を捕まえてむしゃむしゃと食べる恐ろしいものなんだ。
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