【2】

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「気になるんだ? どうしようかなー。教えてもいいけど、何もなしで教えるのもなー」 「ちょ……! なに勝手に、話し進めてんだよ! 別に気になってないし!」 「急に黙ったから、図星だと思って」 「ちっがう……!」 「そんなに全力で否定しなくても……。そんなに、俺の事が嫌い?」 「……」 はぁ……と小さくため息をつきながら、続けて奴が言ってきた言葉に、オレは再び黙った。 さっきは、ペースに飲まれたくなくてだったけど、今度は違う。 いきなりそんな事言われても、なんて言えばいいか分らなかったからだ。 「……そう、じゃあ今日はもう帰るわ。じゃあね」 「えっ……」 そんな、あっさり……。 再び小さくため息を吐いた後、少し寂しそうな顔を浮かべて、奴はオレに背中を向けて、帰って行った。 今までの事を考えると、てっきり奴の事だから、もっと色々と言ってくると思ったのに……。 拍子抜けしたオレは、暫くボーっと立ち尽くしてたけど、あいつが大人しく帰ってくれたんならいいじゃん! と思って、自宅へ向かって帰った。 あいつが再び現れてからの3日間、校門からこの道までしか、歩いた事がない。 昨日までの2日はオレが奴を振り切って帰ったけど、今日は初めて向こうが先に背を向けて帰った。 望んでた事なのに……別れがけに小さく吐いたため息と、表情が引っかかって……。 何だか素直に喜べなかった。
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