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確かにこの寮での生活は、心地良いものではなかった。逃げたくなるのもわかる。いや、しかし逃げるほどのことなのだろうか?
「西条も、道連れだからな。」
「はっ?なんで俺も付き合うんだよ」
「ルームメイトだから」
「関係ないし、つか何で逃げたいの?」
「嫌になったからだ。この生活が」
急に男の顔は見たことないくらい真剣になった。
その顔を見ると、何も言えなかった。
ふと、男の目線が腕時計に向けられた。
「おい、食堂いくぞ。」
「おう。」
彼の意図がさっぱり理解できなかった。
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